健康寿命の延伸
−パワーアップ/アシスト装具の開発−

(2012.4.2掲載)

機械工学科
生体メカトロニクス研究室
鈴木 聡一郎教授

本邦は、すでに超高齢化社会に突入し、高齢者の健康寿命延伸が重要な課題となっている。
本発表では、身体パフォーマンスを向上するマウスガードやスポーツ用具、小型・軽量なパワー・アシスト膝継手の開発について紹介する。

  • 健康寿命延伸
  • パワーアシストシステム

福祉・介護・医療分野  スポーツ歯学分野  一般スポーツ分野

超高齢化社会にむけて、身体パフォーマンスを向上する器具の開発は、注目の分野です。福祉・介護機器などに関心のある企業の方は、ぜひ鈴木先生にご相談ください。

研究内容の紹介

1.小型・軽量パワーアシスト
膝装具

【1.床反力を利用したパワーアシストシステム(膝継手)】
 大腿部切断者が使用する大腿義足は膝継手によって失われた膝関節の 機能を補っている。
 インテリジェント型膝継手の登場などにより、切断者はある程度活動度の高い生活を送れるようにはなったが、既存の膝継手では、立脚時に膝伸展方向の能動トルクを発生することが不可能であるため、特に階段や坂道を上る際に大きな負担を強いられている。
 膝継手には軽量・小型が求められることから、歩行時に発生する人の自重による床反力を利用し、油圧シリンダで膝の伸展をアシストする装置を開発した。義足、膝装具、リハビリ機器としての応用を期待している。

【2.身体パフォーマンスが向上するマウスガード法】
 厚生労働省は、健康寿命の延伸を目的とする国民健康づくり運動「健康日本21」を2000年から行っており、社会全体で健康づくり運動を実施している。そのため、顎口腔領域の外傷、障害予防に有効なマウスガードの装着が奨励され、若年層から高齢者にまで普及しつつある。
 マウスガードの装着により、筋力や運動速度が向上するという臨床的報告に基づき、この効果を定量的に検討している。メカニズムを明らかにすることで、高齢者の健康寿命延伸に役立てたいと考える。

3.日本人の骨格に適したアッパーシェル設計

【3.競技力を向上するスキーブーツ設計】
 スキーは、積雪寒冷地域の生涯スポーツとして有望ですが、近年、スキー人口の減少が著しく、スキー場も閉鎖に追い込まれている。
 レジャースキーを再興するため、オリンピックなどで日本人が活躍できるよう、その骨格の特徴に適合したスキーブーツの設計を明らかにしている。
 すでに数名の選手がオリンピックや世界選手権で使用している。

〒090-8507 北海道北見市公園町165番地 URL:http://www.kitami-it.ac.jp/

日本最北端の国立大学であり、その立地環境を最大限に活かした寒冷域工学の拠点形成を目指している。また1次産業地帯にある工業大学として、地の利を活かした研究を展開している。

※シーズ情報の問い合わせは事務担当まで
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