(2014.2.1掲載)
環境都市工学科
青井 透 特命教授
古来からわが国や中国などの東アジアでは、湖沼底泥や河泥を浚渫(しゅんせつ)して畑に戻し、地力を保つことにより、化学肥料を使用することなく、長年にわたる持続的な農業を営んできました。
しかし、戦後農業用水路の整備や、化学肥料・農薬の大量消費による農業の効率化が進み、兼業農家の増加に伴い、ため池はごみと砂・泥で埋まったところが大半です。
そこで、この貴重な生態系を守り、畑の最も良質の腐葉土である底泥を、ごみと砂を分離して回収して黒土として資源利用する技術を開発しました。特殊な撹拌ポンプと新開発の無期中性凝集剤が、浚渫から15分で黒土にする技術を実現しました。
松本城(国宝)浚渫時の作業台船と分離脱水設備
(実用機)
名所旧跡公園などにある池沼や堀、底泥の堆積した停滞河川やダム湖堤体側などの環境整備等
水を抜かずに生態系を保護しながら、湖沼・ため池の泥を資源化します。
今まで産業廃棄物として捨ててきた「泥」を畑の土として再利用できます。
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