小型で安価な放射線測定器

(2014.2.1掲載)

理学部 物理科学科
竹下 徹 教授

私たちの身の回りには多くの放射線が飛び交っています。放射線は、原発事故でその危険性が大きく取り上げられていますが、もう一方では医療には欠かすことのできない道具であり、ガン治療などに役立っています。現在、放射線を計る機械は少なく、精度の問題があるものも多くあります。
本研究室では、しっかりした基本素子と簡単な電子回路で精度の高い測定装置を提案します!

  • 放射線測定
  • シンチレータ方式

安価で高精度で携帯可能な簡易放射線測定器の製品開発
個人単位で放射能測定できる装置を作りませんか

○放射線(ベータ線、ガンマー線)の測定技術の提供ができます。
○重いシンチレータと新型半導体光検出器による放射線測定装置を商品化できます。

研究内容の紹介
身の回りの放射線の中でも、ガンマー線が最も遠くまで、あるいは、物質をとおり向けて飛ぶため、影響の範囲が広いことが広域汚染では問題です。これを長時間モニターするためには、小型で人のポケットに入り、常時モニターが作動し、大きな影響が懸念される場合、アラームを出す機能が必要です。そのためには、小型で低電力消費で安定な動作が求められています。
本研究室では、医療用ガン発見装置であるPET装置の基本部分の開発を行っています。そこで培った、重いシンチレータと新型光半導体素子の組み合わせは、時間分解能に於いて現在世界最高性能を誇っています。これを単体で用いることにより、安価で、超小型の放射線測定装置を考案しました。また、測定装置で測定を行い、高い基本性能を確認しました。

ガンマー線の検出効率が高く、精度の良い測定を行うことが可能です。
エネルギースペクトルも測定可能で、核種の判別も基本的に可能です。

図1.Co-60ガンマー線源からのエネルギースペクトル

 上図は、Co-60ガンマー線源からのエネルギースペクトルで、中央の山が662KeVのガンマー線を識別できることを示しています。 
 下図は、センサーからの信号を増幅し、デジタル化する電子回路。すべて一般的に購入できる部品で大学生が製作。コネクターはテスト用モニターのための出力端子とスイッチがついています。

図2.超小型放射線測定器

〒390-8621 長野県松本市旭3-1-1  URL:http://www.shinshu-u.ac.jp

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