ジャーナリストが解き明かす研究費を増やせるコミュニケーション力の伝授!


 日刊工業新聞の山本佳代子記者がユニークな本を出されたというので読んでみた。
“研究費が増やせる”メディア活用術なのだという。メディアというとわかりに
くいので、本人がジャーナリストなのだから、要は「記者を活用して研究費を増やす
ことに貢献できる本だ」と読める。研究費を増やすというのは大変なことだ。
 丸善から出されたこの本は1,900円(外税)となっており、筆者としてはとりあえず
すぐに買う本の価格帯ではない。しかしこの度すぐに清算カウンターに運んだのは
「研究費が増やせる」のだ!との書名に魅かれたのと、書かれた山本記者ならば
書けるだろうとの両者の魅力の故である。
 さて、研究資金を増やせるポイントは何か?ここで私が書いてしまえば、なーるほどぉー!
で終わってしまい、読者は買わないかもしれない、という危惧をしながらもやはり書きます。
それは「なぜ伝わらない?」という難題に解を与えることに情熱を燃やし、全章を通して
それを示したことです。研究成果を持っていると自負するものに、お金を出そうという、
金を持っていて研究成果へのニーズがある人たち、即ち企業関係者、あるいは著名な
ファンディング機関、あるいはその研究成果を拡大広報してくれるマスコミを含む各種
メディアにどう伝えるか?これは結構深い問題です。ファンドの運用をしている筆者から
見ても、産金学官連携で著名なコラボ産学官の事務局長という立場から見ても、それはそれは
相当深い課題です。これに山本記者はどう答えるのか?是非ご一読をお薦めします!


一般社団法人コラボ産学官
事務局長 江原秀敏
(コラボ産学官ファンド担当)